出世欲が強い俺がまさか出来る同期に告白されるなんて『俺が好きなら跪け』ネタバレ・感想
あらすじ
銀行本店に勤務する松田は同期に負けたくない。
特に同期の加藤は何かと話題になる相手で、気になっていた。
加藤は周りからの視線など気にしないような仕事ぶり。
気にかけ苛立つのは自分だけかと思っていた松田。
そんな松田自身は出来ることをアピールしてしまうため、周りからのやっかみがあり先輩とも上手く仕事の連携がとれていない。
残業をしているある日、共有パソコンが壊れていたため加藤に助けを求めると、加藤の携帯には先輩と松田の彼女の浮気写真が映っていた。
悪態をつく松田に加藤は女の趣味が悪いと言い、自分にしておけと迫り―…。
スピンオフの『俺が好きなど嗤わせる』の感想はこちら※次長たちの話。全2巻
銀行もので同期には絶対負けたくない！という気持ちが前面に出ている松田さんと出来るけれどひょうひょうとしている加藤さんの話です。
松田さん…石油会社担当営業第二部所属。早稲田の政経出ているから経済センスに自信あり（…）恋人は途切れない模様。恋人が居ても浮気するし、その相手と付き合ったりする。
加藤さん…商社担当営業第一部所属。会社を継ぐことが決定しているから銀行員生活はそれほど長くないと達観しているところに松田さんを好きになって追いかけ回す。
人物紹介すると松田さん…？と思いますが、そこそこ作品の中でも酷い発言多いですし女性に対してはアレだな…と思いました。
加藤さんはとにかく何でも出来るゆえの場の空気を読まない発言が多い。
里先生の作品全ての共通するのは常に仕事が出来る人しか出てこない……。
どこを見ても皆しっかり仕事をしている中で恋愛が入ってくる感じです。
今回の作品は割と松田さんの女性関係ががっつりなので、そこが苦手な方もいるかもしれません。
ただ、加藤さんが凄く追いかけて追いこむ派なので、普段簡単に女性が近付いてくるからこそ加藤さんの強引さに翻弄される松田さんが可愛い。
作品内で結構酷い目に遭っている松田さんですが、やっかまれるのは仕方ないな、というような態度も多々とっているところもありなんとも言えません。
浮気されても女性下げ、男性下げ両方しつつ自分への反省もないし。
……まぁ、そんな松田さんですが、そういう人には加藤さんという人が現れるわけですから本当に人生って上手くでてきるものですね。
※しかし、加藤さんも松田さんの彼女に対しては辛辣。
加藤さんの努力の様子はあまり描写ないですが、松田さんはちゃんとあるのでそういう点では仕事で成果出すのは当然だな～と思います。
あと、結構酷い発言の多い松田さんなのに（…）自分が担当している会社が倒産しないようになんとかしたい、とかいろいろ考えるところが良かった。
銀行は慈善事業じゃないから、方針としては当然なんですがそこをなんとかしたいともがくところが松田さんの魅力へと繋がるのも良い。
ここがなかったら松田さんの魅力は加藤さんにしか見えないなにかなのか…？と疑問に思いそう。
それでも、全体的な発言等はアレなのですけれど。
松田さんは女性に対しても酷い発言多いですが、ここが作品に活かされている（…）ので、しっかりと回収されます。
『俺が好きなら媚びてみろ』というタイトルで続編も連載中なので松田さんと加藤さんがどういう決断を下すのか楽しみです。
続編はありますが、こちらの作品でも綺麗にまとまっています。
この作品を読んだ時には、スピンオフでまさか上司の神谷さんがあんな性格だとは思わなかったですし、宮川さんもそうですし、梶さんもそう……。
いや、神谷さんいい感じだし、宮川さんもいい感じなのでスピンオフあるかな～と期待していましたが、方向が違っていて面白かった。
基本的にいちゃいちゃしていないからこその、ほんの少しの甘さが効いています。
同期のバチバチもの…というには松田さんだけがライバル視していますが、仕事をしている姿もたっぷりありますし仕事ものが好きな方にお勧めです。
