むくげの日日是好日

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SMだけどギャグ要素満載で面白くて愛しかない『藤咲忍はかく語りき』ネタバレ・感想


君はこの世界についてこれるのか?きなさい。

藤咲忍はかく語りき 吾妻 香夜 BAMBOO COMICS REIJIN uno! 竹書房
※『桜田先輩改造計画』スピンオフ。ギャグ要素満載ですが、SM作品です。

あらすじ
晴れて恋人同士となった藤咲と八坂。
相変わらずの藤咲の特殊プレイに応える八坂だったが、最近気になることができた。
それは藤咲が自分に隠しごとをしているのではないか、というものだった。
そんな悩みを二人の関係を知っている桜田と壬生に相談していると壬生に連絡が入る。
直接訊けば良いという壬生に反し、そこからは藤咲の悩ましい声が漏れる。
そして告げられた内容は潮美組へのみかじめ料を払えというものだった―…。

登場人物
藤咲忍(39)…高級会員制SM倶楽部を経営している周りがドン引きするほどのドM。八坂と恋人同士。
八坂祐介(40)…藤咲を想い続け、藤咲の経営するバーで働いていた。藤咲に合わせ特殊プレイはお手の物。元劇団員だったが藤咲と両想いになったことで役者に戻る。2.5次元の舞台が当たり人気者に。
桜田はじめ(30)…高校生の頃女性の代わりに壬生の胸を揉んでいた。社会人になりすっかり変わってしまった壬生に気付かずSM世界に引きずり込まれるもすぐに順応してしまう。快楽に弱すぎる。
壬生誠一郎(29)…高校時代に桜田により性癖開花。それ以降、立派に性癖を磨き上げ桜田を堕とすことに成功。優秀で桜田のことが大好き。
今回の新キャラ
潮美龍誠(20)…組の跡継ぎとして立派になりたいと思うものの、肝心の組長である父親が優しすぎて存続が厳しい上にパン屋を開きたいと組を解体。基本何も出来ないが態度がでかく、吠えまくる。もちろん、チョロイ。
宇治野豪太(20)…潮美の幼なじみ。借金回収行くも親だけが逃げて部屋に残される。組の構成員が連れて帰り、潮美が手元に置くと言い一緒に過ごしてきた。潮美の言うことならなんでも聞く。大人しくて真面目。

 前作の衝撃再び…!ゴゴゴゴゴゴと音響が鳴り響きそうですが、開くとまたもやとんでもない口絵※誉めてます

試し読んだ時シリアス多いのかな…なんて思ったはずなんですが一体どこを読んでそう思ったのか、当時の私に問い正したい。
何処もシリアスじゃなかった※誉めてます
そもそも前回とんでもなかったじゃないの。
そんな前作『桜田先輩改造計画』の感想はこちらです。

mukuge.hateblo.jp
今回の衝撃。
まずは八坂さんが俳優に戻っていたこと。
しかも自分で「俺の演技力を活かして~」(引用)とか言っているほど、自信があるということ…。
た、確かに前作でも藤咲さんに演技力を誉められていましたしね。
両想いになったから俳優に戻り、今は変装しないといけないくらいの人気者。
今回は八坂さんがたっぷり出ているので「こんな性格だったんだな」と認識を改めたところです。
前作では「忍ちゃん❤」(控えめ)でしたが、今回は「忍ちゃん、忍ちゃん❤❤❤」(激しめ)といった感じです。
前作で演技だったと思っていたあの一連の言動がすべて藤咲さん関連で発揮されています。
主に龍誠くんに対して。
八坂さんの真の姿(…)を出させる龍誠くん。

新キャラの二人は可愛い幼なじみカップル。
組長の息子とそこに拾ってもらった子供…こうなると様式美の香りが漂います。
親に捨てられて、拾われた子供。
そのきっかけを作ってくれた子供に対して懐くのは当然じゃないですか。
懐くだけじゃなく、劣情を抱くまでが様式美ですよ。
また外見も今までの2組とはしっかり違うんですよ。
龍誠くんは髪がピンク~オレンジ。
豪太くんは金髪に褐色の肌に刺青。
SMがテーマなのでしっかり行為には入ってきますが、主従×SMって相性いいですし、その上に幼なじみ要素まで……。
しかも、龍誠くんはキャンキャン吠えるキャラで豪太くんは大人しいというのもいい。
性的なことに興味はあるし、自分からべったりくっつく癖に豪太くんを親友とか言うんですよ。
藤咲さんに豪太くんの方は劣情抱いていると言われているのに。
良き関係ですね。
今回アニメイトで購入したので特典の4Pリーフレットはこの二人の履歴書でした。
カラーはドキドキして豪太くんから手を出されるのを待っている龍誠くん……。
期待している視線と夏だからだけじゃなく、火照った体と流れる汗ですよ…。
中を開き肝心の履歴書の方はあからさますぎるほどの二人の差……
これがいいんですよね。
当然全ての免許・資格は豪太くんが上です。
字も綺麗だし、ちゃんと枠内に収まっています。
それにしても豪太くんの苦手なものは「パン」で好きなものは「龍ちゃんの作るパン」とか……可愛いな。
あと、二人とも家族構成に互いの名前と組の皆も含めているの可愛い。
可愛いほのぼの世界……ヤクザなのに可愛くてほのぼのなのはお父さん(組長)のせいですね。
組長、凄く可愛い……。

前作主役の桜田さんと壬生さん。
こちらは相変わらず…というよりもなんだかバカップル感が増してます。
幸せそうで何より。
時折醸し出してくる桜田さんの先輩感が良いんですよね。
ここぞ、というところでちゃんと決めてくれる。
じんわりする…と思ったところでのお約束も健在。
でも、本当に二人は幸せそうなんですよね。
良かったね、壬生さんと思わずにはいられない。

全員相手によってツッコミ、ボケと立ち位置がコロコロ変わります。
こちらが気になったことはほぼ突っ込んでくれますから、スッキリします。
ただ、ツッコミに返しがないことも多いです。
藤咲さんの縄使いの巧さについてはどうなっているのかわからずじまいですが、なんだか凄くて藤咲さんの底が知れない感じがして良いですね。
何故一振りで相手の攻撃を止めるような絡め方が出来るのか……突っ込んだ方が負けよ、みたいなことも多いんですよ。
基本ギャグですからね!
がたっぷりの、ギャグですからね!!

3組出てきますが先生の素晴らしいところは「絶対乱交にならない」と明言して下さっているところ。
これ、地雷要件の方いますからね。
でも、乱交にしようもないくらい全員拗らせているんですけど、何があるかわからないじゃないですか
その点を明確にして下さると安心感がありますよね。

同時収録
魔王受胎(サタニック+セックス)
あらすじ
魔王が高校生を母胎に選び、そのままセックスをする。
しかし、高校生は九尾の妖狐の仮の姿であり魔王と交わったことで封印が解け返り討に遭ってしまい―…。

何を書いているの、と思うかもしれませんが掲載誌が「あいたたBL」なので察して下さい。
絵柄も吾妻先生の普段の絵柄というよりはある時代には刺さりまくる往年のBL要素をを含んだ物になっています。
お約束の展開なのにやっぱりコメディ要素が強い。
こちらは描き下ろしへと続き、本編と絡みます。
全員ツッコミになりますよ。
……高校生と魔王相手ですからね。

確かにSM行為はしっかりなんですが、とにかくしかない上にギャグなのでお勧めです。
内容はとにかく「おかしいな…?」と思う暇もないほど同時収録含め全編おかしいので(※誉めています)安心して下さいね。
それなのにしかないんですよ…王道展開を持ち込みつつの全編「おかしいな…?」なんです。
えっちもたっぷりあります。
今回も全員しっかり火照ってました!!
ただしSMベースなのでそこが苦手だとどうすることもできません。

気持ちが少し落ち込んでスッキリしたい何も考えたくない
疲れた、スカッとしたい!
ただひたすら笑いたい
そういう時にお勧めの作品です。
 

紙書籍等
藤咲忍はかく語りき

吾妻香夜 竹書房 2021年06月07日
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by ヨメレバ