むくげの日日是好日

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恋愛の良さをぎゅっと詰め込んだ10年間を描く『YOUNG GOOD BOYFRIEND』感想・ネタバレ

追いかける歳下と幸せ過ぎて毎日が大変な歳上

 

YOUNG GOOD BOYFRIEND ダヨオ on BLUE comics 祥伝社

 


あらすじ

高校教師・高津と生徒の水沢。
水沢が高校生時代からつき合い始め、その後卒業しても二人の関係は続いていた。

あらすじにもならない説明で申し訳ないですが、『YOUNG BAD EDUCATION』のその後ですね。 

mukuge.hateblo.jp前作とは違い、一冊まるごと二人の話です。
高津先生の仕事っぷりというよりは水沢君の大学生活の方が描かれています。
ここで注目するのは水沢君は高津さんのことを一切隠す気がないところ。
この表現だと隠す事に対してマイナスのイメージになるかもしれません。
これは性別関係なく付き合っていることを隠したい人は一定数いるし、相手の性別だけを隠したい人もいる。

別にそれは良いんですよ。
訊かれたり何か言われた時にしっかりと自分の意見を言えればいいと思う反面、なんでそんな面倒な事いちいちしないといけないんだ…という気持ちもわかります。

水沢君は高津さんのことを「おじさん」と呼び告白されても「ふつうのおじさん」と付き合っているって言うんですよね。
これって結構言葉として強い。
普通じゃないおじさんなら付き合っている可能性があり、認められているのか。
などと言葉論争はいいんですが、水沢君が好きなだけ、という強調でもありますよね。
特別じゃない、特別な人なんですよ。
こう書くとまた言葉論争が始まってしまいそうですが…。
面倒だな!

でも、この手の話って数年前の作品と比べてもかなり緩やかに描かれますよね。

この作品の好きな所って二人がずっと仲良く一緒にいるという所がしっかりと描かれているからなんです。
しかも一冊全部ですよ?
高校卒業した後の10年を描いてあり、しかもラブラブなんですよ?
仲、もの凄く良いんですよ?

たまらなく好きな展開です。

本編でくっついていたのに続編で実は別れました展開はしっかりとした理由があるし、そりゃ人だから別れも当然だよね。
本編はキラキラしたその瞬間だけを切り取っているから次の日には別れていることもある。

もちろん、わかるんですけれど…。
もの凄いジェットコースター乗って降りた途端別れているのを見せられるのはそりゃ切り取り方次第とわかっているんですけれど…。

でも、ハッピーエンドが好きなので…。
至上主義とまでは言いませんが、やっぱりハッピーエンドが好きなので…。

表紙は前作と違い二人並んでいるんですが、やっぱり自信ありげな水沢君とぼんやりした高津さんなんです。
二人ともちゃんと歳を重ねた感じが出ているし、10年って凄いよね、と思いました。
卒業までは肉体関係なしというのも良かったな。
高津さんの先生の感じが出ていて。
それにしてもゴミとか漁って大切(想い出)なものは残そうとする水沢君って凄いな。
高津さんが目で追うだけだったのに対し、付き合ってもゴミ漁るって…。
高津さんが自信ないと知り怒りだすのも可愛いし、なんか水沢君重すぎて可愛い

高津さんも重いけれど、ベクトルが違うからな…。

これ逆だったら、と思ったけれど逆バージョンの先生が振りきった重い作品と言えば加藤スス先生の『セブンティーンキラキラ爆弾』(『ろくでもヒッドナイト』収録)ですね。
あれは逆で先生重すぎて大変だった。でも両想いになるとこれって重いのも免罪符ですよね。愛があればいい、というやつですね。
こちらで感想書いています。

mukuge.hateblo.jp

今回の帯は白紙に銀と藍色(紺?)の文字。
前作に比べるとインパクトは弱いのですが、傾向が違いますよね。
今回はひたすら幸せな二人でしたからね!

そしてカバー下は前作同様下描き原稿です。
カバー下って楽しみの一つなんですよね。
レーベル専用のものはともかくとして、内容の世界観を現す物も好きだし、おまけ漫画も嬉しい。

すっごく幸せな二人だし、反対する人も出てこないという平和な世界なので年齢差が好きで年下攻め好きな人にはぜひ読んでほしいです。
愛情溢れる会話ばかりで35歳と55歳の二人もいるので「あーあーいつまでも幸せなんだなー!」と本当に嬉しくなる作品です。

紙書籍等
YOUNG GOOD BOYFRIEND

ダヨオ 祥伝社 2017年06月24日頃
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