むくげの日日是好日

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突き放したのは僕の方だから、望みを口にしない『トワイライト・プレイラバー』ネタバレ・感想


拗らせた想いを知られたくない

トワイライト・プレイラバー 楢島 さち BE✖BOY COMICS DELUXE libre

あらすじ
伊織と敦はいわゆるセフレ。
しかも、高校時代の同級生だった。
過去に伊織は敦に告白をされるが、断ってしまう。
その過去を引きずったまま社会人となった伊織は偶然職場で敦と出会う。
しかし、敦の悪癖「恋人のいる人に手を出す」がまだ続いていることを知り、伊織は自分とセフレという関係を結ばないかと提案する。
伊織からの提案を敦が承諾したことで関係が始まってしまう―…。

※『コスメティック・プレイラバー』のスピンオフですが、二人の関係性を丁寧に描かれているので読んでいなくても話に入り込めます。


セフレかーらーのーに学生時代の想い出も含まれているじれじれ恋愛。
丁寧に感情を描かれているので、どうして恋愛感情が生まれたのかを感じる事が出来る作品です。
拗らせ過ぎているため、言ったらいいのにぃ~のじれじれ感がたまらない。
突き放した手前、自分の想いを告げることのむずかしさ。
それなのにどうしても傍にいたくて「セフレ」という関係を手放さないよう必死にいる姿。
だけど、「セフレ」だから本命が出来たら終わるという恐怖。
このぐらぐらする感情の根源は学生時代の距離。
慣れないところで、初めて出来た親友。
その感情がしっかりとあるからこそ、このセフレからの関係性も何とも言えずじれじれするし、心臓がきゅうっとなる。

敦自身の才能への葛藤などもちゃんと作品に活かされているのも良かったです。
そして、昇華の仕方も良かった。

敦くんの悪癖についても、過去の恋愛から「裏切り」に対して敏感になり過ぎるところを描いてあるし、そこに伊織くんがちゃんと絡んでくるのも良い。
だからこその、敦くんの執着というか少し極端に走ってしまう行動も説明がつく。
この辺りはやはり丁寧な描写が本当に全編にわたって描かれているからこそ、引き気味な行動にもそこまでの拒絶感を与えないのかな、と思いました。
していることはどうかと思いますが、それほどの感情を過去の恋愛で植え付けられてしまったのだな…と。

描きおろしの7話も良いです。
相手のことを想っていることが強く足された感じ。
綺麗にまとまっている作品なのですが、この足された話が効いていていい。

書店特典は6話目での伊織くんの感情ダダ漏れ編。
同じことをしていても、関係性が変わるとそれだけでたまらなくなるという…。
可愛い!

セフレなのでえっちもありますが、感情の揺らぎがすんなりと入ってくるくらい過去話もしっかりと描かれていて良かったです。

恋愛の揺らぎを堪能したい、ちゃんと恋に落ちる理由が描かれていて欲しい。
そういう話を求めている方にお勧めです。


 
紙書籍等
楢島さち リブレ 2021年08月10日頃
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