むくげの日日是好日

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スケベなことに興味あるのは仕方ない『スケベの青春』ネタバレ・感想


高校生のスケベな願望

スケベの青春 畠 たかし MARBLE COMICS 東京漫画社
あらすじ

高校生の三田村はスケベなことに興味があることをオープンにしていた。
健全な高校生なら当然だろうと考えていたからだ。
しかし、同級生の早見は着替えの際もインナーを着ており、肌を見せることがないことに気付く。
一度気付いてしまったら、気になって仕方ない三田村はつい出来心で早見が襲われ、脱がされているという合成写真を作成してしまう。
罪悪感はあるものの、どうしても欲望に負けてしまい個人的に楽しむ三田村。
しかし、その写真が同級生に見つかり、早見本人に確認されてしまう。
早見に対し恋愛感情はなくただ魔が差したのだと言う三田村。
そんな三田村の態度に早見は仕方ないと許し、今まで通り接してくる。
だが、早見には着替えを見せないという理由があり、それを三田村に教えてくれて―…。

男子高校生のスケベという好奇心から始まった恋愛模様
容姿端麗かつ文武両道な早見の秘密を知ったことで三田村の感情は揺れ出してしまう。
そして、何かにつけて邪魔をしてくる早見の友人・お茶山のにはどんな意図があるのか?
好奇心いっぱいの男子高校生恋愛です。

早見くんは容姿端麗・文武両道なだけでなく性格も良くて女子生徒が騒ぐほど。
ただ、モテるけれど憧れ要素が強いのか告白したり肉欲系女子が出てこない。
ウチワを持って応援する…そう、推しのような存在。
そんな早見くんはのんびりしていて自分の写真を勝手に合成した上に「スケベ目的です」(要約)と言われても「魔がさしたなら」と許すあたりのんびりという言葉で片付けていいのか悩ましい。
スケベなくせに恋愛感情はないとかどっちがいいのかわからない…。

三田村くんは好奇心旺盛なことは悪くないし、と開きなおっているし、周りも「三田村くんだしな」で片付けている節があります。
何せ家族にまで「スケベだもんね」扱いですよ。
受験生なので受かれば何でもいいよ、なあたりが随所に出てきます。
そのおかげで三田村くんの気持ちがグラングランするのが良い。
……仕方ないですよね、目の前に「スケベ目的」の人物がいて、しかも相手はほわほわしたままなんですから。

でも、そんな二人の前に現れるのは早見くんの幼馴染みのお茶山くん。
何かあるごとにお茶山くんは現れ、早見くんの秘密を知っていると囁くわけです。
気になる三田村くんですが、基本的に早見くんはのんびりしているし「お茶山くん良い人なんだよ!」というスタンス。
実際、お茶山くんは良い人なんですけれど…。

早見くんが脱がない秘密とお茶山くんが知っている秘密は別ものなのですが、そのどちらも三田村くんからすると興奮でしかないのが……もう。

あと、推しとしてしか見ていないせいか女子生徒が三田村くんに絡むけれど平和なんですよ。
早見くんの彼氏ならかっこよくなってくれなきゃ認めないよ?」(要約)
平和…。
そしてその推してる人々が考えた「かっこいい三田村くん」を却下する早見くんがいい。
そう、そういうことじゃない…と見た目じゃないんだと不満げになるの可愛い。
でも、早見くんの三田村くんの好きなところ「身長※早見くんはバスケ部」なのもどうなの…。

高校生らしい好奇心いっぱいな話なのに、何故かほんわかというか少し斜め上に進むのが面白いです。
先生も学校内でいちゃついているのに反省文だけで終わらすのとかどうなっているの?
など疑問に思いますが、おかしみが溢れているせいと全員基本的にほんわかな世界なのでこれでいいのだ、と深く頷いてしまう。

人によってスケベの基準が違う、というこの設定を活かした面白い作品です。
早見くんのスケベ基準に三田村くんが反論しようとしたのに、結果「スケベだな」となるのも良かった。

男子高校生のスケベをテーマにしているのになぜかほんわか。
そんな気持ちになる作品でした。

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