むくげの日日是好日

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38歳、はじめての人が実は『遅れてきた春は。』ネタバレ・感想

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性別が違っていたら、望みがあるかも

遅れてきた春は。 野萩あき GASH COMICS KAIOHSYA COMICS KAIOHSHA

あらすじ
昼間は会社員、夜は官能小説家・志島鈴彦として生活している野内久典。
官能小説家だが、まだ誰ともしたことがない。
そんな彼だったが、ある日チカという女性と出会う。
彼女との出会い少しずつ距離を縮め、付き合うこととなった野内。
しかし、いざ二人の時間を持つという時にチカが男性だということに気付き―…。

 官能小説家!
でも誰ともしたことがなくて妄想だけで乗り切ってきたぞ!!
そんな久典さんに現れた可憐な女性チカさん。
とんとん拍子で話が進みあれよあれよという間にいたすところまで行くわけです。
しかも着衣のまま乗っかられるという…初めてが乗っかり。
姿みたいよ~動きたいよ~となるけれどチカさんが任せて!となるところも、何せ初めてですから…お任せ。
でも、やっぱり我慢できない!
…え?あれ、見慣れたものが…。

まぁ、そうですよね。
困惑する久典さんと久典さんのことを好きだったからとぐずぐずに泣いているチカくん。
そう上手くはいかない…となりそうですが、久典さんは「チカさんはチカさんだ!」とそのままいたすわけですよ。

久典さん、かっこいいな…。

何で彼女いなかったのかな…これなら付き合えるんじゃ?と思いますが、官能小説家になった経緯に繋がっているわけですよ。
学生の頃から妄想スキル高めていたせい枯れている
だけど、とにかく誰かといたしたい!
そう思って風俗に行くのに「本番は無理よ❤」と言われてそのまま飲み友になるという久典さんもとんだコミュニケーションスキルの持ち主だな…。
でも、気になるから言われた通り雄の魅力を…と筋トレするけれどすぐ頓挫。
さりげなく筋肉シーン入れてくる野萩先生(他の作品で筋肉フェチと仰ってました)
そして、枯れている、というのももちろん嘘じゃないかとツッコミが入りそうなほどチカくんと付き合ったら大変なことになってた。
38年間と妄想を全力でチカくんにぶつけていた(チカくん大喜びなので安心)

一方のチカくんは久典さんと近付きたくて女装始めたのに、全然バレないレベル。
会話しても食事してもバレない…。
そしてチカくん、着替えて勤務先に行っていたのかな。
久典さんと会うために女装(通勤に使うバスが同じ)、出勤するために着替える。
帰りに約束がある時はまた女装……。
大変だな…。

こんな始まりですが、すんなりくっつくので後はいちゃいちゃしています。
官能小説家、というのも活かした内容ですし、またこの設定がチカくんの過去ともリンクしている。
お姉さんがチカくんを全面バックアップなので、女装にいたるところもスムーズに。
好き!から過去の話も含めて綺麗に纏まっているお話でした。

ところで最初気付かなかったのは、初めてだから、と片付けていましたが…チカくん最初からいろいろ仕込んでいたのかな……。
久典さんに何もさせないままいきなり乗るので、準備なしだよな…と一瞬考えそうになりましたが、久典さんがかっこいいし、チカくんが可愛いからいいか。

アニメイト特典はチカくんのおねだり漫画でした(性的ではない、可愛い内容です)
カバー下はカバーの絵を一色刷り。

女装ものは苦手な方もいるかと思いますが、1話以降はチカくんは女装しません。
久典さんの仕事に合わせて(?)いわゆるセクシーランジェリーを着けるくらいです。
女装ものが好きな方にとってはその点は物足りなりかもしれません。
チカくんは可愛いことには変わりありませんが。

野萩先生は割と暗め、というか静かな感じの作品を描かれることが多かったのですが、ここ最近は明るめのものが続きますね。

可愛い恋愛ものです。
何せ38年間の集大成みたいな恋愛なので、久典さんはチカくん好き好き大事!という雰囲気をしっかり出していますし、チカくんも久典さん好きぃ❤って可愛いです。
野萩先生は割と暗めの展開作品も多いのですが、こちらはひたすら可愛い。
恋愛の悩みを描きつつも、可愛いお話です。
ちなみに志島先生の担当者さんの話は『なかからとかして愛してあげる』になります。