束縛されてる恋愛でも好きだった、けど『ロンリープレイグラウンド』ネタバレ・感想
ロンリープレイグラウンド ダヨオ on BLUE comics 祥伝社
あらすじ
慧介は高架下で雨宿りをしている男に声をかける。
実は、この高架下はセックス目的の人が使用する場所でもあったため、注意をするも男は知っていて、そういう相手を探していると答える。
その男、雪文は7年不倫を続けた後、振られたのだという。
驚く慧介はそのまま雪文と一夜を過ごすがあまりにも雪文の体が良すぎて困惑する。
だが、そんな二人の元に不倫相手である雨津木が現れる。
慧介は宇津木の前で雪文にキスをしてまたね、と告げて立ち去るのだが―…。
偶然出会った甘やかしてくれる年下と束縛系愛人から逃げた男。
愛人の雨津木から逃げることはできるのか。
7年の不倫関係からのドロ沼
7年って!
不倫で失恋…と思ったのですが、雪文さんが雨津木さんの妻に雨津木さんにされている写真を見せながら関係をぶちまけるという何ともドロ沼話。
しかも雪文さんは調教済みときたらこれは、もう…。
雨津木さんは雨津木さんでマイフェアレディよろしくの雪文さんを7年かけてじっくり育てあげたわけですよ。
何も知らない雪文さんにいろいろな物を与えつつ、自分好みに仕上げていく。
もちろん、妻とは別腹。
そのことを最初は仕方なく受け入れていたけれど、やっぱり雨津木さんのことが好きな気持ちが止められなくてぶちまけに行く…。
ドロ沼。
現れたのは年下の甘やかし系スパダリ
そんな雪文さんの前に現れた慧介くん。
雨津木さんとは違うタイプだけど、何より愛情をまっすぐ伝えてくる。
これにキュンキュンするんですよね。
慧介くんと出逢ったことで、雪文さんは自分としっかり向かい自分の足で立つことを選ぶ。
誰かの用意した道を歩かなくていいように、しっかりと前を見つめる。
帯に慧介くんのことを「スパダリ(若造、王子様)」と表記しているのですが、スパダリって裕福だとか何でも知識があるとか、高い地位だとかなんだとか。
よく使われる「スパダリ」はこういうことが多いですが、慧介くんはそういうものはなくとも、雪文さんにとって大切な物を簡単に差し出してくれる、気付かせてくれる、ところが「スパダリ」たる所以なんですよね。
雪文さんの道しるべ的な。
はー…。
雪文さんにとっての雨津木さんの存在
個人的には雪文さんが雨津木さんに感謝しているのが良かった。
されたことはもちろん、酷い。
精神的支配も世界との隔絶もしていますし、その上性的被害もありましたしね。
あれ、警察案件ですし。
……これで感謝しているのだから、雪文さんにとっての雨津木さんというのは本当に凄い人だったんですよ。
自分のいた世界から救ってくれて別の世界でも生きていけるようにちゃんと教えてくれた。
その見返りとしては、自分を雨津木さんの好みに仕立ててはいたけれど、だけど雪文くんの中に雨津木さんへの愛もあったし、雨津木さんは雪文さんに向かないやり方だったと思うと切ない。
恐らく、別ルートも存在していたんだろうな、と思える分辛い。
でも、自分に真っ直ぐ向き合ってくる慧介くんに出逢ったらどうしようもない。
描き下ろしはどんな内容?
描き下ろしは幸せそうな雪文さん満載で良かった。
二人だけでなく、周りからも祝福されている感。
良かったね…。
今まで不倫(これはこれで……何とも言えませんが)で二人なのに一人とか思っていた分、皆で食事とか雪文さんにとってどれだけ大きなことなのか…。
お幸せに。
同時収録作品
『悪人の縛り方』
あらすじ
雪文に去られ、離婚もし独りとなった雨津木。
バーで飲んでいると好みの男性・針間に声をかけられるが―…。
は~雪文さんは幸せになったけれど、宇津木さんはこのままなの…。
辛い。
まぁ、自業自得なところも十二分にありますけどね…。
そう思った矢先、同時収録は雨津木さんの新たな恋ですよ。
散々雪文さんに酷いことをしていたのに、いざ自分がやられる側となると泣きだすんですよ。
可愛すぎやしませんか。
ちょっと、どうなっているの…。
あと、雪文さんと慧介くんの想い出であるパンケーキにイライラしたり可愛すぎる。
そこに勝手にチョコレートソースかける針間さん、素敵過ぎる。
この二人その後がありそう。
そう思っていたら本当に続編が出ました。
『悪人の躾け方』ですよ。
ロンリーブレイグラウンドのスピンオフです。アニメイト限定ページになります。
針間さんが体だけでなく、どんな感じで雨津木さんとの距離を縮めていくのか楽しみ。
カバー下に小ネタはあるの?
紙書籍好きとしては、『ロンリープレイグラウンド』の カバー下がカッコいい。
真っ赤な紙が使用されているのでカバー下の小ネタやら扉へと移る前に見える縄の印刷。
小ネタは黒インク、縄は白インク(透けるタイプ。効果でピンクに見える)かな、と思いますが違いますかね。
紙好きとは名ばかりで済みません。
上巻には小ネタはなくてカバーと同じデザインのタイトルのみ。
下巻にのみ小ネタありなのは、ネタバレというか雨津木さんネタが豊富で良かった。
ここにもちゃんとパンケーキについて語られていて最高。
メープルシロップ派なんですって。
可愛すぎやしませんか?もう、もう!
他の設定についてはきっとスピンオフにも…出てくるはず…。
楽しみです。
ロンリープレイグラウンド 上 | ||||
|
ロンリープレイグラウンド 下 | ||||
|