想像と現実は違うもの『好奇心は誰をくらうか』ネタバレ・感想

好奇心は誰をくらうか　三乗あき　BABY COMICS　FUSION PRODUCT

高校教師の氷山は自分の受け持つ生徒の冬月奏に言い寄られていた。
恋愛感情はなく、ただ同性としてみたいという理由で氷山を追いかけ回し、逃げ場を奪い続ける冬月。
氷山はそんな冬月に呆れ、抱けるものなら抱いてみろとホテルに行くのだが―…。

担任と生徒。
恋愛感情などなく好奇心から始まった関係だったはずなのに。

帯にオトシアイとありますが、そこまでの感じはないです。
奏くんも少し脅したり（ホテルでのやりとりのことで）していますが、割と緩めの脅しです。

試し読みと帯の感じでいくと殺伐さもあるのかな？と思いましたが、読み進めると氷山さんの過去のトラウマなどから拭えない恋愛への恐怖と憧れみたいなものを感じます。
一方の奏くんは本当に好奇心から同性としてみたいだけなのでいっそ強い清々しい。
その割に優しいから氷山さんも少しずつ恋愛への憧れ方が強くなってしまう…。
奏くんはモテるため女性との絡みもあります。
もともと、氷山さんとしたいだけの好奇心から始まる話なのでそれなりに遊んでいたことも伺えます。
奏くんの感情の描写が少ない上に女性との絡みがあるので余計に気持ちが見えづらくなっているのかも。
ちょっとしたところでは気にかけている感じがあるも、それがあまりに少ないので「も、もう少し！」となってしまいました。
冬月さんの方は、最初は感情漏れない感じだったのに、徐々に漏れ出して行くのが可愛い。

恋人同士だから～ではなく好奇心から始まる内容なので先生とそれなりにしているのが…。
せ、先生…と思わなくもないですが、氷山さんは過去のこともあるためのめり込むのは仕方ないかな…。
あと、ネタバレになりますが受験シーズン中に担任が辞められるのか否か、という点が気になります（※個人の自由なのでもちろん辞めてもいいと思っていますが、理由に引っかかりがないとは言えない）
相当揉めたのではないか、と思うのですが、そこの描写がないので気になるのだと思います。
担任が関係持っているから、家でも勉強見たりしているのもアウトだと思うと結構氷山さん…。
もう1話足してくれると嬉しいかも…と思ってしまいました。
特に今回の作品は奏くんの気持ちを見せてくれるような1話があると良かった。
描きおろしは甘くて良かったので…も、もう少し！という思いが……。
ふゅーじょんさんの所のコミックス、そこまでページ数少ない印象はなかったのですが、少なめの作品が続いたこともあり、気になりました。

三乗先生のデビューコミックスのようです。
絵から離れていた、とあとがきにあったのですが、それまでも結構描かれていたのかな？
初コミックスの先生、本当に上手い方ばかり。
表紙が好き！
冬月さんの表情が好きです。
カバー下は赤一色にタイトルのみでした。
カバーと相まって良い感じ。

帯が結構バチバチ煽りですが、バチバチしたのが読みたい！
そんな方には少し物足りないかもしれません。
絆され先生と追いかけ生徒（ただし感情は読めない）です。

生徒と教師ものが好きで、恋愛感情は後から育つものがお好きな方にお勧めです。
ただし、女性との絡みありなので苦手な方はご注意ください。