好きになった人はライバル校のNo2でした！『河川敷ロミジュリ抗争曲』感想・ネタバレ

河川敷ロミジュリ抗争曲　トビ　ワシオ　DAISY COMICS　EIWA INC.

ネタバレがありますので、苦手な人はご注意ください。
先生の他の作品についてもネタバレあります。

あらすじ

学校レベルが大体同じな犬頭高校と猿戸高校はライバル校だった。
犬頭高校に通う日木屋樹里は千葉流斗率いるグループのNo2。
だが、流斗のように喧嘩に熱くなれず、興味のあることと言えば河川敷にいる猫くらい。
飼い猫ではなく、勝手に餌をやっていたのだが自分以外にも餌をやっている人間がいると思っていた。
いつものように河川敷に行くと猫だけではなく田門ひろみがいた。
樹里はひろみの制服を見て猿戸高校の学生だと気付く。
一方ひろみは樹里が口にした「猿」という単語で自分と同じ高校だと勘違いしてしまう。
樹里も自身の学校名は言わない方が穏便に過ごせると思い誤魔化す。
猫を抱く姿を見つめ自分は触れることができないのことを口にする樹里。
するとひろみは笑いながら嫌がられても何度も挑戦したと言う。
その笑顔をを見た瞬間、樹里は体に電流が走ったような気分になる。
不思議な感覚に樹里は流斗に相談するとその感情が恋かどうか見極める方法を教えてもらう。
流斗に教えてもらった方法を試し恋だと確信した樹里はひろみに告白をし二人は付き合うこととなる。
だが、樹里はひろみに自分がライバル校の学生だと告げることが出来ないまま互いの所属するグループが喧嘩することになり―…。

同時収録がリバだったのでそちら目的で購入しました。
タイトル通りライバル校、しかも互いに以前から気にくわないと言って喧嘩をしたグループ所属。
ロミジュリですね。
猫がかなり存在感があり、最後の最後まで猫絡みです。

二人とも可愛くてかっこいいところがあり、またトップの人も良いんですよね。
あとはわかりやすすぎるやんちゃな人達。
トビワシオ先生やんちゃ系の人達が好きなんだろうな。
なんか拳で語り合う！みたいな展開なんだけど時々崩したような描写があるのが可愛いんですよね。
内容はロミジュリらしくしっかりと抗争もしつつ愛も深めるという展開です。
分かりやすい悪役も出てきますが、嫌なタイプじゃなく寧ろ可愛いくらいなので良い感じ。

ひろみは可愛いな～と思って読んでいましたが、途中からかっこ良い顔が沢山あったのが嬉しい。
樹里はひろみに夢中になるところが可愛い。
二人ともトップに相談するのも可愛いなぁ。
懐いている感が凄くていい。
同性同士についての葛藤はなく欲望に忠実なのも良かったです。
ロミジュリ、とタイトルにありますが平和な世界なので安心です。

『つばぜり愛』

あらすじ

孝一と珠貴は付き合って一カ月程のカップル。
互いに一目ぼれで今まで付き合って来た人達とは違うと思っていた。
だが、いざ性行為をしようとした時に問題が発覚する。
そう、二人とタチだったのだ。
ショックのあまり、とりあえずその日は解散となる。
しかし二人とも相手を諦めきれずこうなったらどうにかして相手に抱かれる快感を得させたい。
そう思い孝一は肉体を鍛え、珠貴はテクニックを磨き二回目を迎えるのだが―…。

リバ好きとしては楽しみにしていました。
実は勘違いをしていてしばらく表題作がそうなのかと思っていましたが、収録作品の方でこちらリバアンソロジー『タチネコ争奪戦』に掲載されていた作品でした。
完全リバなのでこちらは「やるやるリバ」（思わせぶりリバ）ではなくしっかりとリバなのでその点では安心して読めるリバです。

二人ともタチとしての矜持がありますから、互いに狙っていくのもいいですし、体の相性も良いのがいいですね。
筋肉と頭脳という自分の武器を熟知した攻撃だ！
この辺りが何とも言えない面白さです。
二人とも互いのテクを存分に相手に味あわせてその上で可愛いと思っているのも良かったです。

ただ、今回の作品に関しては表題作の方が好きでした。
これは本当に好みの問題です。
なんだろう、二人とも可愛くてかっこいいし、お話もすごく綺麗にまとまっている。
でも、刺さる刺さらないというのはそれだけじゃないので、どうしようもないです。

作品は面白いけれど、好みのリバかどうかはまた別なので……気分を害されたら本当にすみません。

トビワシオ先生の思わせぶりリバ（結局リバらない）では『White Pawn―ホワイトポーン―』が凄く好きです。