むくげの日日是好日

BLコミックの感想日記。このブログはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

結婚すると思っていたのに急行直下。偶然出逢った相手は『星をかぞえること』ネタバレ・感想


僕のいい所はいくつあるか言って。
星をかぞえること 内田カヲル BAMBOO COMICS REIJIN selection 竹書房 全2巻

※カテゴリーは同時収録分も含んでいます。

あらすじ

江森は結婚しようと思っていた相手に振られ、一人で映画を観ていた。
牧島は紹介してもらった女性と映画を観ていたが、泣いている江森に気付き持っていたTシャツを手渡す。
驚く江森に新品だからと言い、無理矢理渡した後、女性と共に映画館を出て行く牧島。
江森はどうすることもできず、返すあてもないTシャツを取敢えず洗い持ち歩く。
歓送迎会の帰り、酔っぱらった江森は電車の中で終点まで寝てしまう。
車掌に起こされたものの、降りた駅ではタクシーも通らず途方に暮れていると男が声をかけてきた。
この時間帯はタクシーは通らないから送るという男に警戒すると実は車掌だった。
そして、その車掌こそ映画館でTシャツを渡してきた牧島。
こんな偶然あるのか、と思いつつも何故か牧島に誘われ断りきれないまま二人で会うことが多くなっていき―…。


付き合っていた相手と結婚。
穏やかな生活を望んでいたはずなのに、なぜか傍にいるのは知り合ったばかりの同性。
しかも最初思い切り警戒していますからね。

本当に、この出逢いでよく遊び続けたな……と思いますがそんな細かいことはどうだって良いくらい面白いんですよ。
どう考えても「え?」と思うのに。
だって、泣いているね!はい!!Tシャツ渡されて、後日電車で眠ってしまって起こされるけれどタクシー通らないから家まで送るよ!と言われて、お礼に行くも仕事中はお礼受け取れないから待ってて!あ、一緒に遊ぼう!!!
一連の流れを書いても「え…えぇ? ええぇ……??」となりますが、面白いし、牧島さんが格好いいんですよ……。

泣いている人に涙を拭う物を渡すまでは他の話でもありますが、その拭う物が「Tシャツ
綿100%だし新品だからいいよね!
いや、そうですけど…ですけど…。
こんな出逢い、もう忘れられない。
インパクト強すぎる。
そしてこの結果牧島さんはデートしていた相手に振られるという……。
落ち着きないから嫌!という理由ですが、確かに牧島さん落ち着きがないというか色んなことに興味を持ちすぎるといいますか、よく気付く。
これは性格だけでなく職業とも関連あるのかもしれないと思いました。
車掌ということでいろいろと目を配らせないといけないことも多いでしょうし。

好きな場面は出逢ったばかりにいい所について話すところです。
江森さんのいい所を牧島さんが挙げた際、江森さん的に微妙だったので「えぇ~」という反応込みで問い直すのですが、「オレがいいと思ってチョイスしたから」(引用)と返すんです。
江森さんはやっぱり「えぇ~」という感じですが、いや、もう、これが正解だと思います。
世界共通の(大きく出た)いい所」じゃなくてあくまで「自分にとって」というところ…。
ポイント凄く高い!
そうですよ、もう、それでいいじゃないですか。
ただ、相手に伝わらないこともあるため難しいといえば難しい。
実際、江森さんには伝わりにくかったし。
何でも共通の何かに凝り固まることないんですよね。
難しいですが。
この辺りが本当に、牧島さん好き!となりますが、ちょいちょい「どうだろう……?」と冷静になる自分もいます。
全部ひっくるめて牧島さんなので、本当、かっこいい……。
江森さんを存分に甘やかしてほしい。
江森さんもどんどん甘やかしに入るので良い関係ですよ……。
出会いがあんなちょっと「どうだろう……?(冷静になれ)」案件なのに、結果オーライ!だなんてもうやっぱりいいですね。

追いかけられてからの追いかけるパターンが好きなので、本当に好き……。
しっかりそこを江森さん自身も見直しますし、それまでの牧島さんの情の深さが効いているんですよね。

同性同士、という流れから男女だったら引いていたよ、というように結構牧島さん凄過ぎる行動力です。
でも、それに結局振り回されてしまう江森さんが愛しい
何度も何度も「今度こそ断るぞ!」と思っているのに何故か牧島さんの攻撃力の高さに屈してしまう江森さん。
愛しい。
牧島さんの周りの人はこういう感じを受け入れる人じゃないと難しそうだけど、そこはコミュ力高めなんでしょうね、お友達多いようです。

でも、この行動力については江森さんも凄いですよ。
同性だし、恋愛ってどうなの?
からの「女性なら対象」っていうなら「なってやろうじゃないの!(女装)」という江森さんも大概だな、と思いました。
全体的に牧島さんの行動が可愛いけれど「え?」「ん??」ということが多いのですが、たまにの江森さんの破壊力よ……。
江森さんも行動力は高いため「なら買物だ!ウィッグと服と化粧品買うぞ!!」と出かけるし「下着もいるか!!!」とネット通販で用意する……。
振り切り過ぎなんですが、こういう二人だからいいんですよね。

描き下ろしは下巻に32ページの漫画です。
可愛い……。
二人ともお互いが好きすぎて可愛い。
可愛いしか言っていないですが、それが全てです。
ただ、大変だったようで内田先生はもう嫌だと書いています。
描き下ろしって嬉しいけれど、先生は大変ですよね……。
本当に素敵な作品を有難うございます。

書店特典のペーパーは江森さんが元水泳部ということで二人で水泳。
上下巻と続いている内容です。
二人とも体はバキバキです。
※勿論一枚だけでもオチまでついた内容になっています。


同時収録
上巻に収録されています。
どちらにしようかな
ちゅうちゅうたこかいな
タイトル通り、男性に双子がどちらにするの?と迫る内容です。
男性はかなり年上。
こちらの作品は内田先生と言えば「」の「」がたっぷりです。
三人でいたすので苦手な人もいるかもしれません。
ひたすら双子が攻めまくり、男性がアンアン言ってますよ。
選べ選べと言いながらひたすらしまくる話。
続きの『ちゅうちゅう~』で結論を出します。
毛だけでなく、帰って来た早々色んなところを舐めるのでそこも気になる人がいるかもしれません。
靴下脱がしてすぐに吸いつくところはか迷うところですよ(恐らく両方)

シリアスになるところで内田先生の独特ほんわかが入ります。
言い争っているのに、どこかほのぼのしてしまうのは言葉のチョイスが良いからだと思います。
内田先生の描くがっしりした体型、筋肉もたっぷり見ることができます。
互いに大事にしているしされているのが話の隅々から感じられて本当に良い作品だと思います。
全2巻と完結済みですので、サクっと読みたいときにピッタリだと思います。
上巻表紙が牧島さん(攻め)、下巻表紙が江森さん(受け)です。
※Renta!にて6/9までお得に読めます。

星をかぞえること(上)

内田カヲル 竹書房 2018年07月
売り上げランキング :
by ヨメレバ
星をかぞえること(下)

内田カヲル 竹書房 2018年07月
売り上げランキング :
by ヨメレバ