忘れたいのに、この距離が切ない『遠くて近き、俺と部下。』ネタバレ・感想

遠くて近き、俺と部下。　鈴木　はこ　fleur comics　MEDIA FACTORY

あらすじ
高遠が目を覚ますと部下と一緒にベッドで眠っていた。
しかも、互いに裸で混乱する高遠。
そんな高遠の横で目を覚ました部下の近野は昨日自分たちがセックスをしたと言うが、高遠は聞きたくないという態度を示すも高遠の体から近野の体液が零れてしまう。
この状況に高遠は寝たとしても、自分だ抱いた側なら認めると言いだし―…。

体先行の話になりますが、近野さんは高遠さんのことが好きだったのでここで押したい。
高遠さんは良い部下、可愛い部下と思っていたのに急にこんなことになって困っている。
そんな二人のわちゃわちゃなやりとり満載の作品です。

気になった点としては、いくら解しても初めての高遠さんにすんなり入れることができるのか、という問題。
高遠さん記憶が曖昧というかほぼないほど酔っていたけれど、寝てないからいけたのかな…？
それに近野さん視点で考えると酔っていても寝てないから、高遠さんが受け入れてくれた！！となっても仕方ないかな。
まさか翌朝覚えてないし、抱かれたというのは嫌だから抱いたってことにしろ！！と言いだすなんて思いませんよね。

高遠さんとしては初めての部下だし、凄く可愛がってきた相手に抱かれるなんて思ってない上に告白までされてどうしたらいいの…とグルグルしてしまう。
距離をおきたいけれど、大切な部下なんだよ～～というところが本当に大事なのだと感じられて良かったです。
それゆえ忘れることにしよう、そうしようと提案して実践するのに高遠さんの方がうろたえる……。

それまで仲が良かったから余計に距離感がつかめないんですよね。
自分達がいままでとっていたいた距離が近すぎる、なんて思いもしなかった。
だからこそ、忘れようとなると距離感を突き付けられてグルグルしまうんですよ。

ちょっとした描写がなんとも言えない距離感が出ているし、高遠さんの性格付けもいい。
人見知りだけど部下だし、と必死に距離を詰めようとする方法もいい。

描きおろしはリードしたいよ～となる高遠さん。
可愛いです。

フルールのサイトの連載だと新刊発売などで以前の連載分を再度アップすることがるので気になっていた作品だと嬉しい。
素敵な作品だとサイト分はその内消えるし、描きおろしも読みたいからと購入しますしね！

サラリーマン同士で仕事も大事、人間関係も崩したくない。
だから真剣に相手のことを考える。
そんな恋愛のもだもだが詰まった作品です。