むくげの日日是好日

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多様化する【オメガバース】について考えてみました。

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当たり前になりつつある「オメガバース

多様化が進んでいるので、所有している作品と向き合ってみました。

オメガバースとは

男女という性別に加えα、β、Ωという性別もある世界。
結果、6種類の性別に分けられる。

ざっくりとした性別の説明。
α…男女ともに妊娠させることができる。
β…現在の人間と同じく男性しか妊娠させられず、女性しか妊娠しない。
Ω…男女ともに妊娠できる。

α性の女性は性器が男性器のようになり妊娠させることが出来、Ω性の男性は女性のように妊娠が出来る。

オメガバース世界でのα・β・Ωはどんな存在?

αは基本何でも秀でているためエリートと呼ばれる。
人口に対しαとΩは少なく、殆どの人がβ。

Ωはフェロモンを発し、αを誘惑する。
αはΩのフェロモンに当てられると理性を保てずにΩを襲う。

Ωのヒートとは何?

Ωにはヒートと呼ばれる発情期が存在し大体3カ月に一度。
一週間ほど続きその間はほぼ何も出来ず性行為を望む。
この性質があるためΩは他の性に比べ蔑まれてしまうこともある。

Ωのヒートは止められないの?

Ωのヒートを止めるにはαと番になることが必要。
αと番になったΩのフェロモンは他の人には効かなくなる。
このことでΩはヒート時に襲われる可能性が低くなります。
番になるためにはΩのうなじを噛めば良い。
同意が無くとも噛まれてしまった時点で番になってしまう。
番の解除はαのみ可能。
解除されてしまったΩはその後番になることはできない上に、他の人を誘うこともできず発情期も一人で過ごすことになる。
このため番を解除されたΩは自殺することが多い。
逆にαは番を解除した後も別のΩと番になることも可能。

運命の番とは何?

番の中には運命の番、という特別な関係があります。
運命の番はほぼ出逢うことがないとされ、αとΩの間でもおとぎ話のように語り継がれる程の確立です。
世界の何処かに、自分だけのΩ、αがいるというものであり、それは他の人と番っていても本能で運命の方を選んでしまう、というもの。
例えば番同士だったとしてもαに運命のΩが現れてしまえば、番だったΩはそのまま解消される可能性があるということです。
逆の場合はΩがどれほど望んでも番を解消できるのはαのみですから、どうにもなりません。
運命の相手を前にしてどれほど本能で求めあっても、解消できるのは自分の番のαのみです。
こういう点から見てもかなりαに有利でΩには不利な関係とも言えます。
ただ、基本的に番になったαは独占欲が強く自分のΩに対し何でもしたいと思います。

Ωはα以外と恋人同士になっても番にはなれないためヒートは続き、フェロモンも出るため襲われる可能性が高い。

そしてΩからしかαが生まれない(生まれにくい)という設定があったため、男性Ωが望まれるケースが多い。

割と初期の頃はこのようなものがΩバースの基本だったと思いますが、今は本当に自由になっていると思います。

特にΩバースが流行ったのは男性も妊娠できる、ということですね。
Ωバース以外にも「男性妊娠」というジャンルはありますが、オメガバースには「番」という設定もありますから。

独自世界を展開し続けるオメガバース

Ωバースの中での男性妊娠は重要な要素だと思っていましたが、どんどん多様化していきα・β男性も妊娠できる作品が出てきたことに驚きました。
しかもβ男性がα男性を妊娠させることができる、とまでいくとβのポテンシャルが広がりすぎなのではないかと思いました。
このことによりαとΩが番う必要性、また運命の番を拒む理由が出来、βもオメガバース世界内でαもしくはΩと一緒になる選択肢ができます。
ただ、Ω男性がα、βを妊娠させることができる、という作品は読んだことないのですがどうでしょうか。

そして、もう一つ。
作者の好きなように番というものを設定する。

番はαがΩのうなじを噛む事で成立。
成立以降Ωは発情期に発するフェロモンは番のαにしか感じられなくなり他のαから狙われることはない。
このような展開から派生し、番になってもフェロモンを感じるαやβも現れることに。
そもそも最初の方は「βはフェロモンを感じない(感じにくい)」という基本設定がありましたが、そうではない設定が出てきました。
βだけどフェロモンを感じやすい体質、ということでほぼαと同様に発情期のΩを狙いだす。
今までは「Ωが番になりたいのは辛い発情期を抑えるため、また誰かれ問わず誘発することなく自身を守るため」だったはずがその要素が薄くなるという作品も。

そしてクイーン・ビーというαすら抗えない圧倒的な力を持つΩの登場。
どんなαもクイーン・ビーの前では何もできず、ただひれ伏すのみ。
もちろん、クイーン・ビーも伝説のような存在で人生で出逢うことは無いだろう、というものです。
※ただし、こちらは商業作品では見たことないです。ジャンル問わず二次だけにある設定なのかどうなのか。元が分かりません。

その他のバース性や流行りものなど

いろいろなバース性があり「センチネルバース」「dom/subユニバース」「ネームバース」などもありますが、こちらも独自展開をしていそう。
ざっくりとした説明
センチネルバース
…五感が発達したセンチネルとその力のバランスを取るガイドの組み合わせ。
dom/subユニバース…支配したいdomとされたいsubの組み合わせ。ハードな設定からかなりソフトまで幅広い。相手がいないと体調に影響するため、発散させるためにプレイすることがある。
ネームバース
…生まれた時から体にイニシャルなどの目印があり、組み合わせにより運命が決まる。
これらはオメガバースほど商業作品数が多くないため今後どうなるのか気になります。
dom/subに関してはアンソロジーなども発売されているので、増えていくかもしれません。

その他、二次で他に流行った設定(一部)
花吐き病……『花吐き乙女』(松田奈緒子)の作品の影響想いが花となって出てくる。一種類の時もあれば感情によって異なる花を吐く。花言葉由来の場合もあるが、そうとも限らない。
涙が宝石となる、体の一部が宝石となる……『観葉少女』(川原由美子)や『宝石の国』(市川春子)の影響だと思っていますが、どうでしょうか。他に元となる話があるかもしれません。
少年、少女の姿をした植物のような存在……『観葉少女』(川原由美子
・魂源と呼ばれる魂の動物によりランク付けされる世界……『SEX PISTOLS』(寿たらこ
基本は猿。猿の魂を持つ人は他人の魂源は見えない。希少種もある。

上記設定は流石に元が独自設定の商業作品なのでそのまま真似ることはないと思いますが、似た設定はありそうな気がします。

気付くと新しいブームがやってきているためまずは世界観を知る事が必要となっていますが、大抵最初のページに説明があるので安心です。
ただし、「あくまでこの世界ではこうです」と注意書きがないと「え、こんな設定あったっかな?」と混乱します。
ですが、オメガバースは作品がかなり多くなり、説明のない作品も増えてきました。
それだけ認知されたということですね。