むくげの日日是好日

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自分の定めた王の為なら、死すら厭わない『澪つくし』ネタバレ・感想


自分の定めた王にのみ、尽くす

 

澪つくし 扇 ゆずは BE✖BOY COMICS DELUXE libre 連載中、現在2巻まで発行

ネタバレしていますので、苦手な人はご注意ください。

あらすじ
天才ハッカーである澪には不思議な力がある。
それは、人のオーラがわかるというもの。
そして彼は見つける。
絶対的な王者としてのオーラを持つ南雲公耶という男を。
南雲は議員秘書
ただの秘書ではなく、裏で議員を操っている。
澪は暗躍する南雲を王として定め、南雲の為なら命を賭しても構わないと尽くすことを決める。
そして、報酬は金ではなく、体を要求するのだった―…。

ポイント

・澪は天才ハッカー自分に調べられないことはないと豪語。
・南雲の過去は全て消されている→どれだけの仕掛けなのか。
・報酬は体→同性は初めてな南雲ですが、どんな風に扱ってもいいのが良いなとかとんでも発言。
・澪は南雲からならどんな言葉も有難うございます→澪……それは尽くすと言うよりは……。
・冷酷な南雲→用済みと思えばバッサバッサと切り捨てる。例え、10年以上の付き合いがあっても。
・南雲の婚約者→財閥の娘。後ろ盾もバッチリ。
・しょっちゅう生死について語る→南雲に執着するなら何が何でも生きる、を選択するべきなのに、南雲の為なら命を落としても平気という矛盾。
・澪の体にはGPS異母弟に埋め込まれている。
・異母弟→澪に刺されて下半身不随。
・異母弟とは付き合っていた→結果がGPSと下半身不随って穏やかじゃないですね。
・南雲対異母弟→澪の飼い主は自分だ問題。
・表向きの南雲の野望→自分の先生が「総理大臣になる」ことで自分が裏から操る。本当にこれだけなのか…?南雲の闇が深すぎて底が覗けない。
・澪も闇が深い→澪は南雲(自分の定めた王)にのみ忠誠を誓うので周りがどう思おうとも本人は幸せ。

説明しつつ、現在扇先生が連載している『ジュリアが首ったけ』同様こちらも盛り盛り内容。
も、盛り過ぎじゃないですか……。
そんな盛り盛りな『ジュリアが首ったけ』の感想はこちらです。

mukuge.hateblo.jp
扇先生の合い言葉は「理不尽でもハッピーエンドなので最終的にはハッピーなんでしょうけれど。
今まで読んだものにはメリバもないので、安心といえば、安心。
でも、この異母弟との関係とか南雲が王になるためなら命を落としても良いというあたり辛い展開は来るのでしょうね。

王の為、と言っている澪ですが途中で南雲に対し何かを思うのか、それとも突っ走るのか。
南雲には婚約者がいますが、澪を選ぶのか。
ハッピーエンドを謳うなら、婚約者切られて澪一択だと思いますが。
婚約者は出て一緒にウェディングドレスも選んでいますが、顔は見えていません。
……婚約者が不幸にならないといいなぁ、と思っています。
南雲、自分の欲望の為に今まで可愛がっていた(ように見せていた)子供が不幸になろうとも知ったことではないから……。

すでに南雲が異母弟に会いに行っているので、今後異母弟活躍するんでしょうね。
南雲と異母弟と会うのが思いの他早かった。
2巻までで本当に怒涛の展開続きで……その上連載が不定期なので焦らされ続けます。

ジュリアが首ったけ』もそうですが不幸な展開、苦しみなどの連続。
そのことで読者が幸せにしてほしいと願えば願う程満たされた時の喜びは深く大きなものであることは間違いない。
……ただその喜びを手にするところまで着いて行けるかどうかはまた別なのですよ。
たまに脱落していく場合もあるので、匙加減って難しいですよね。

1巻、2巻ともに巻末に本編補完のような漫画があります。
こちらが結構重要な話になっているのですが、2巻は描き下ろしとあり今後伏線として本編に絡めるのかな。
※1巻には掲載誌の記載がなく明確な描き下ろしの表記はありませんが、話のネタから恐らく描き下ろしじゃないかと思います。
本編だけでも経緯はわかりますが、深みが増した感じになっています。
ジュリアが首ったけ』もそうですが、コミックスを読んで感情がよりわかる、みたいな仕掛けです。

扇先生は「ドラマティック」が好きなんだと思います。
どの話もなんだか凄い仕掛けが沢山。
日常というよりは非日常的な。
その非日常が先生の綺麗な絵に合っている。
何処までも美しさに拘った画面作り。
この作品も『ジュリアに首ったけ』同様デジタルに移行しつつなのですが、アナログ絵の美しさ。
デジタル絵も好きなんですが、アナログ絵も大好きなのでアナログでこれだけ描けるとなるとやっぱり見たいなぁと思います。
でも、もうアナログの画材がなくなって仕事部屋がスッキリと仰っているし(全部処分しているかは不明)難しいかな……。
デジタルの良さもわかるし、便利だと思うけれど……アナログのあの緊張感によって描かれている絵が好きなんです。
でも、デジタルの方が体の負担がないと仰っている先生もいるのはわかっています。
ただ、好きだということだけ……。

ジュリアが首ったけ』も連載中なため、なかなか進行具合が読めません。
早く澪を幸せにしてほしいと願っていますが、果たしていつになるのか……。
それまでは扇先生の他の作品を紹介しつつ待ちたいと思います。