初めては怖いから、練習したい『ドラマみたいな恋じゃなくても』ネタバレ・感想

ドラマみたいな恋じゃなくても　鈴木　はこ　fleur comics　MEDIA FACTORY

あらすじ

銀治は特定の相手を作らずにいた。
いつものように寝た後、相手にもう会わないと言われてしまう。
これを機に次の相手とは長く続けようと思う銀治。
そんな銀治は現在先輩の友達とルームシェアをしていた。
相手に自分はゲイだということは告げずにいたのだが、偶然バレてしまう。
必死に繕う銀治だったが、ルームシェアの相手・チヒロは自分に手を出していいと言いだして―…。

チヒロさんは銀治くんの先輩の友人。
だからといって別にチヒロさんと先輩がどうこうとういう訳ではなく、むしろ同性愛者とバレたからちょっと距離を置きたい…と留学するんですよね。
友人の壱成さんは気にしていないし、逆に怒るくらいなのに。
そのくらいチヒロさんにとっては壱成さんは大切だし、自分の性的指向に自信がなかった。

そもそも彼女がいたけれど違和感を感じて気付いた、というタイプだったので余計でしょうね。
彼女はいたけれど、同性相手は初めて出しと情報を頼りにゲイバーへ行くもなんだか違う、と思っている中で壱成さんにバレる……。
もし、あのまま進めていたら結構なトラウマになってそうな雰囲気があるから壱成くんに見つかって良かった……。
その結果留学して距離を置く、になるわけですが。
その後ちゃんと壱成くんと話をすることができて良かった。
そして留学から戻って来たけれど、どうやって相手を見つけたらいいかわからない。
そこで偶然銀治くんがゲイだと知る。
誰でもいいなら、俺でいいでしょと言いながら乗るけれど、初めてで上手く行かない。
ここで銀治くんが話を聞いてそれなら俺で練習しようになるんですよ。

……練習？こうなるとチヒロさんとしてはやったー！練習すれば慣れるし、相手を見つけやすくなるかも！！とノリノリだけど、そうは上手くいかず……。

このもだもだ感が可愛いんですよね。
チヒロさんってお兄さんぶるのに、可愛くてやったーの辺りはきゃわっとしている。
でも、いざ練習が始まると怖いからぶるぶるして銀治くんに当たるわけですよ。
当てられた銀治くんもちょっと苛つくけれど、初めてだしな、と落ち着いた態度をとるのが可愛い。

チヒロさんは結構グイグイいきつつびえーとなるので電動ディルド購入してはグロい～ってなるの可愛い。
本当に銀治くんが落ち着いていてよかった……。

慣らす過程もお互いを想う過程も丁寧に描かれているのが良かったです。
もともとチヒロさんは面くいだから銀治くんの顔好きぃって言うのも可愛い。
銀治くんの方は会話を重ねて行く内に少しずつ絆されていく感じ。
お互いに「誰でも良い」ではなくて「その人がいい」を求めているからこそ、ここは丁寧に描かないと説得力がないですからね。

この作品はフルールのサイトで読んでいて可愛いな！と思い購入。
描きおろしも可愛かった。
チヒロさん……グイグイくるのに、ここでもびえ～となるの可愛い。
そんなチヒロさんを可愛がる銀治くんも可愛い。
幸せいっぱいなのが本当に良い……。

恋愛のもだもだが詰まった可愛い作品です。