大人になるまで一人なんて、嫌だ『あかりと彼はなやましい』ネタバレ・感想

あかりと彼は悩ましい　鶴亀まよ　ビボピー！　libre

あらすじ

桜井あかりは同性愛者だった。
だが、中学時代にそのことがバレてしまい嫌な想いをしてきた。
そんな時、傍にいたのは幼馴染の里。
その里はノンケだったはずなのに、何故か同級生で同性の三上と付き合っている。
幸せそうな二人にもやもやとした気持ちがおさまらず、あかりはゲイバーへ行く。
しかし、そこで若宮瑞貴というたまたまヘルプに入っていた男性に未成年とバレてしまう。
自分は成人していると嘘をつき、お酒を飲みそのまま倒れてしまうあかり。
そして目が覚めると何故か見知らぬ場所にいて、そこは瑞貴の家だった―…。

『三上と里はまだやましくない』のスピンオフになります。

あかりくんは16歳、瑞貴さんは26歳という10歳差の二人。
あかりくんは同級生からすると大人っぽいし、色々経験した分達観しているところがある。
そんなあかりくんをわかっていたのは幼馴染の里くん。
だけど、そんな彼にも彼氏が出来た。
自分以外の誰かが里くんの隣にいる。
恋愛感情はないけれど、ある程度の嫉妬みたいなものもあり、もやもやしたまま自分も誰かを探そうとする。
でも、近場（学校）はなし。
知らない誰かと出会いたい。
そこでゲイバーへ行ったのに即効未成年バレしてムカついてお酒飲んで倒れる。
そして介抱されて連れて行かれるのは未成年バレした相手。

瑞貴さんはノンケだから安心ということで店長にあかりくんを押し付けられたわけですが、瑞貴さんのこの何でも出来る感がね……。
あかりくんだから、というだけでなく全方位に隙が無い感じなんですよ。
いや、出来過ぎだな……と思いますが、そのくらい出来過ぎじゃないとあかりくんの相手は出来ないと思うと……。
でも、瑞貴さんは瑞貴さんでノンケの自分がいることであかりくんの何かを奪ったかも、と不安になる。
さらりと瑞貴さんの昔の彼女も出てきますが本当にさらりなのでもめ事もなにもありません。

理由が無いと繋がれないという不安から瑞貴さんの家に忘れ物を繰り返すあかりくんに対し、合い鍵を渡す瑞貴さん……。
ちょっと危機管理が……と不安になりましたが、あかりくんが嬉しそうなので良いか。
いや、でも、出会ってすぐで付き合ってもない子に合い鍵……。
でも、この合い鍵であかりくんが救われるのなら、いいか。

自分の性的指向、思春期ゆえのからかい、そして達観からの閉じこもり。
だから学校ではなく、知らないどこかで、誰かと幸せになりたい。
自分の過去を知っていても、ずっと一緒にいてくれた幼馴染みの里くんがあっさりと三上くんという彼氏を作ったという事実も結構受け入れ難い。
自分が傷つけられたからこそ、元はノンケ同士って上手くいくの？
大切な幼馴染みが傷つくのは絶対嫌。
そういう感情から三上君に対しても少しキツめ。
これは三上くんの性格でやんわり案件になるのが良かった。
スピンオフなので三上くんと里くんのいちゃいちゃ❤番外編も収録されています。
話の合間にあるから、一瞬「あれ」となりました……。

基本的にあかりくんは何でもできるけれど、過去の経験から自分はどこかで失敗する。不幸になる。
そんな悲観的のまま瑞貴さんにどんどん惹かれていく。
瑞貴さんはあかりくんを可愛いな、くらいから接している内になんともいじらしく見えてくるんですよ。
悲観的という呪いにかかっているのを、解いてくれる大人が瑞貴さんで良かった。
幸せになってほしい……。

そもそも知ったきっかけはpixivコミックにて連載していたので期間限定中に無料で読んでいました。
いつかコミックス購入しよう、からが長かったですね。
今回、続編が始まり、丁度2巻発売決定だったので1巻も購入。
まとめて読むとあかりくんの面倒臭さと瑞貴さんの出来過ぎ感が際立ちます。
あかりくんは面倒くさいけれど、高校生だし今までいろいろ悩んで悩んで悩んだからこそ、瑞貴さんだけはどうしても手放したくない！というのが可愛い。
瑞貴さんは大人であかりくんが悩んでいることにアドバイスをしていくのがいい。
悩みは違えど、今まで歳を重ねてきた分助言ができる。
あかりくんは過程環境もあるからこういう大人が傍にいてくれて良かった。
未成年だしな～とあかりくんがグイグイ迫って来ても耐える瑞貴さんにキュンとしていたのですが、描き下ろしにてその牙城は崩れます。
二人のイチャラブ初えっち❤が見たい方はぜひコミックスで確認してください。
続編連載始まって急に匂わせからのそういう雰囲気に、あれれ、いつしたっけ？と思ったんですよね。
判明したので良かった。
カバー下の漫画は本編の小ネタ。
二人の性格が出ています。
歳の差カップル好きで大人な対応の人と思春期で揺れている学生が好きな方にお勧めです。

電子書籍だと2巻発売記念で8/2までお得に読めます。

2巻の感想はこちらです。